彼女が捕手になった理由
【ネタバレ注意】
あらすじ
左利きのショート――本摩敬一が所属する中学野球チーム『白倉柏シニア』。
剛速球でノーコンのピッチャー。守備範囲は広いけど弱肩のセンター。強打だけどリードの下手なキャッチャー。
ちぐはぐで万年二回戦どまりのチームに突然入部してきたのは、名門チームのキャッチャーで――しかも女の子の、梶原沙月だった。
「全国目指さないで、どうするの?」
監督権をまかせられた彼女は、容赦なく守備位置をコンバート。
キャッチャーをファーストへ、ピッチャーをセンターへ、そして敬一は、なぜかピッチャーに!?
衝突と反発を招きながらも、沙月の采配と情熱がチームに奇跡を起こす――超爽快・青春野球小説!
【ネタバレ注意】でお願いします。
「私は結局ヒーローにはなれなかったけど、ヒロインでいいや。だから敬一くん、しっかりヒーローになってよ。ヒーローが負けたら承知しないんだからね」
面白かった。
自チームの主要な人物を5人に抑えてるのがポイントですねこれは。人数が多くなると把握しきれなくなるんだけど、キャラも立っていて無駄がなく、ちょうどいい案配です。
女の子が野球のチームにやってきて、それが実力があるものだから色々と衝突もあるのだけど、だんだんとチームに受け入れられていく展開が熱いです。そして、守備位置をコンバートすることにより、それまでかみ合っていなかった実力が発揮されていく展開は王道ながらもやっぱり面白い。
決勝戦では彼女のかつてのチームと戦うことになり、彼女と同ポジションである相手にヘイトを集中することで、彼女の問題の解決と決勝での盛り上がりが重なり、非常に良いカタルシスを味わえました。
そしてほんのちょっとの恋愛要素が絶妙。