無法の弁護人 法廷のペテン師

【ネタバレ注意】

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あらすじ
 
理想に燃える新人弁護士の本多は、初めての刑事裁判で苦戦を強いられていた。やむを得ず彼が助力を求めたのは、「他人のウソを見破れる」とうそぶく不敵な男、通称“悪魔の弁護人”だった――。
 

 

【ネタバレ注意】でお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいから黙って聞いてろよ。俺は散々税金を浪費してきた検察に、挽回のチャンスを与えようとしるだけだぜ?」

 

 

なんだこれクッソ面白いな。

何が魅力かというと、「悪魔の弁護人」と呼ばれる阿武隈の反対尋問。話術によって次々と新事実を浮かび上がらせていく手腕が痛快。

法廷モノというとそんなに読んだことがなかったのでなかなか新鮮でした。刑事事件があって、検察側が連れてきた証人の証言を反対尋問によって切り崩していく。ここの尋問が面白いです。阿武隈は嘘を見抜く能力がある、と豪語するわけですが、そのためには対象が動揺しているほど良い、と。てなわけで、証人をいきなり犯人扱いしていくんですね。さらに煽る煽る。当然、犯人は、じゃなかった証人は怒り狂うわけでして。という、法廷を舞台にした会話劇。なかなかテンポ良く進んでいくのでスイスイ読めます。まあ、もっとも現実の事件だとこうもスムーズにはいかないんですけどね! そこらへんは、あとがきでも書いてるように、物語に即した形に変更している、と。

1巻の時点では阿武隈無双だったわけですが、新人弁護士と、その1年キャリアが上の新米検事がいて、彼らの成長にも期待したいです。