アサシンズプライド 暗殺教師と無能才女

【ネタバレ注意】

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あらすじ

 

マナという能力を持つ貴族が、人類を守る責務を負う世界。能力者の養成校に通う貴族でありながら、マナを持たない特異な少女メリダ=アンジェル。彼女の才能を見出すため、家庭教師としてクーファ=ヴァンピールが派遣される。『彼女に才なき場合、暗殺する』という任務を背負い―。能力が全ての社会、報われぬ努力を続けるメリダに、クーファは残酷な決断を下そうとするのだが…。「オレに命を預けてみませんか」暗殺者でもなく教師でもない、暗殺教師の矜持にかけて、少女の価値を世界に示せ!第28回ファンタジア大賞“大賞”受賞作。

 

 

【ネタバレ注意】でお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢さま。どうかオレにだけはあなたを助けさせてください。あなたの力になりたいのです。たとえでんな嵐のなかであろうと、オレは必ずあなたの声に応えてみせます」

 

 

これは面白かった。

年の差とはいいものです。

何かと胸元を見せつけて行くタイプの制服ですね。いや、太もももか。

ヒロインであるメリダ=アンジェルはマナを持たず、無能というレッテルを貼られ、周囲からの扱いも相応のもの。そこに家庭教師として、主人公のクーファ=ヴァンピールがやってくる。この二人の関係がたいへんおいしいんですが、メリダが才無き場合暗殺するよう指令が下っているという設定が一味加わっててとても良くなっています。これがあるから、メリダの絶望的状況とそれをはね除けようと努力する姿勢、クーファがメリダを導いて行こうとする思いがいい具合に混じってます。

登場人物も多すぎず少なすぎず、非常にいい塩梅。メリダとクーファのコンビに対して、メリダの従姉であるエリーゼと平民出身でエリートなロゼッティ、メリダエリーゼが才のあるなしで上手く対比になってる上に、幼い頃の約束などがあり、関係性がひっくり返るとこなんか最高でした。ロゼッティは……今回そんなに活躍しなかったような。今までずっとソロで、連携など全然できなかったのに、クーファとの連携はバッチリいってたところなんかは次巻以降で掘り下げがあるかも。楽しみにしてます。

で、敵側。メリダの敵とクーファの敵をそれぞれ用意していることで、盛り上がるポイントが二つあるのは美味しかったです。メリダを苛めているネルヴァを持ってくることで、この作品の重要な点である、クーファからメリダへのレッスンに磨きがかかるというもの。能力では負けている相手にどう立ち向かって行くのか、その戦術、精神的なことも含めて教えていき、それで成果がでるのはやっぱり面白い。又、クーファの相手として、メリダの命を狙う敵が出てきて、そこでの戦闘ではメリダに教えていた内容も出てきて非常に燃える。そして、クーファの秘めたる力。読んでて何かありそうだなーと違和感を抱いてた場所が伏線になっててよかった。もうちょっと深く考えてたら予想もついてたんだろうけど、あのタイプはその場面になって初めて気づくのが読んでて気持ちいいので気づかなくて良かった良かった。

次巻は学校で一波乱ありそうで非常に楽しみです。