覇剣の皇姫アルティーナⅩ

【ネタバレ注意】

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あらすじ
 
舞台はハイブリタニアとランゴバルトの連合軍に占領された城塞都市グレボヴァール。第二皇子ラトレイユに請われたレジスは帝国第一軍の軍師として、都市奪回作戦に参加することに。レジスの作戦により、都市内への潜入に成功したヴァレイズ三等武官は少女フェルの協力を得て、捕虜となった市民達の代表者と会うために行動を開始するのだった―。ハイブリタニア編ついに決着!覇剣の皇姫と読書狂の青年が織り成す覇道戦記ファンタジー第十弾!
 

 

 
そろそろアニメ化発表がきてもおかしくないんじゃないかと個人的に思ってるこのシリーズ、ついに2桁台に突入しました。
 
それでは、【ネタバレ注意】で。
 
「覇剣の皇姫アルティーナ」および豪華本「アルティーナ」について話していくのでご注意くださいませ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この巻でようやく、ベルガリア帝国とハイブリタニア王国との戦争が決着。何やら現実では2年以上の時間が経過していたみたいですけど、定期的に刊行してくれていたのと、内容的にもバスティアン陣営のエピソードなどを挟みつつ、飽きのない展開の連続だったので、あっという間だったような気がします。
ここまでですごく盛り上がった、と思ったら。この先さらに波乱が待ち受けているようで、ますます楽しみです。
 
さてさて、内容的には。
まずはこれを言わせていただきたい。
「覇剣の皇姫アルティーナ」には毎巻、最初に「これまでのあらすじ」が挿入されてるんですが、これが本当にありがたい。それまでの事件のダイジェストのような感じでセリフこみで説明がされているので、前巻までの出来事を思い出してスッと物語に入っていけるのです。なにぶん、刊行が3ヶ月も空きますと、その間に100冊ぐらいは読んでしまうので、何があったのか忘れてしま・・・・・・うことはないにしても、非常に分かりやすい。もっと他の作品にも広がっていかないかなーと思う次第であります。
 
この巻で戦争が一つの節目を迎えたわけですが、それと同時に大きな出来事としてレジストラトレイユの関係の変化があります。今までは妹に頭の切れる軍師がいる、程度だったのが今回のことで明確に敵と認識されるまでになる。その過程が爽快感があって、だのに手と手を取り合うことができないもどかしさがあって、となかなかに魅せてくれます。
 
最初は、ラトレイユの方がレジスの実力を見極める、というような感じだったのが、レジスの用兵を目の当たりにしてからのなんともいえない顔というのが痛快で痛快で、ただラトレイユの方もレジスの提言を疑問を差し挟むことなく実行に移すあたりは流石に器が大きいと思ったり。
最後には、レジスの引抜きにかかるシーンで、その未来も見てみたいと思ったのはこの二人の関係がたまらなく好きだったからです。・・・・・・レジスの命を狙うところも含めてな!
ええ、そりゃあもうこうなることは分かっていました。あの親殺しのラトレイユ、こんなところで見逃すはずがないだろうと、そしてさらにレジスの身柄を狙って別のうごきもありと、コレから先もなかなか目の離せない展開が続きそうです。
 
早く「覇剣の皇姫アルティーナ」の続きが読みたいという気持ちと同時に、豪華本「アルティーナ」も楽しみなんですよね。
豪華本「アルティーナ」の方は文庫本の「覇剣の皇姫アルティーナ」の1、2巻の内容で、レジスの年齢が違うことを端緒として、ところどころに文庫版の方にはないエピソードがあったり、文章がスリムになってたりして、個人的には豪華本の方が好きだったりします。
 
ところで、今回イラストレーターさんのあとがきを見るまでアルティーナがいなかったのに気づきませんでした。いやあ、だって主人公の魅力に目が眩んで。ねえ?