ヒマワリ:unUtopial World 1

【ネタバレ注意】

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あらすじ
 
「私はこの世界は間違っていると思います」
四年前のある事件をきっかけに、やる気と前向きさを失ったヒマワリこと日向葵。学校に行かず罪悪感を覚えつつも最悪な日常を送るヒマワリだったが、高校の生徒会長・桐原士郎と“ジャッジ"を名乗るハイテンションな女性に巻き込まれ、無差別(なんでもあり)のバトルゲーム“ルール・オブ・ルーラー"に参加することになり!? この世界を統べる権利をかけて――咲き方のわからないヒマワリが勝負(バトル)に挑む! 
 

 

林トモアキの既存シリーズのことも書いてます。
【ネタバレ注意】でお願いします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「スズカさんはまだ開始って言ってませんよ」
 
 
ああ、良かった。面白かった。
 
帯にもありましたけど、林トモアキ新境地!! たぶんこっから入っても楽しめると思いますたぶん。私なんかは精霊サーガはしっかりと読んでるので、真っさらな気持ちで読むことなんてもうできないんですけど。ところで、事前に仕入れた情報だと、新規読者の獲得を目指すなんてことを目にしてたんですけど、あとがきに思いっきり「精霊サーガ完結編」なんて書かれてて、つまりそういうことですね。分かります。
 
ということで、新キャラ・向日葵。ヒマワリと書いて、ひゅうが・あおいと読む。鈴蘭以来の女主人公。ラノベでは女主人公はあまり多くはないんだけど、普通だと繊細な心理描写をしたりするんだけど、そこは安心の林トモアキ。鈴蘭の例もあり、女主人公と言えば暴力。暴力!暴力!! どっか頭のねじが外れたキャラな上に、作風も恋愛方面が非常に薄いので女主人公でも無問題。なんだこれ最高かよ。
 
既存シリーズのキャラもちょこっと出てたりして、既読者にとっても嬉しいですが、新規の方がどう思うか不安になったりします。……まだたぶん大丈夫このくらいなら。
他の初登場キャラは全体的にチンピラが多いです。そもそもがなんでもアリのバトルゲームということもあり、カラーなギャングが出てくるのでガラの悪いこと悪いこと。でも、一番恐ろしいのはヒマワリさん。
 
話としては、前作「レイセン」のラストのテロから4年が経った人工島新ほたる市が舞台で、タイトルにもあらすじにも書いてませんでしたけど、普通に帯に書いてた「聖魔杯」という文字。ファンなら誰しもが待ち望んだはずです。
今回は敵として精霊を扱う輩が出てくるけど、ヒマワリさんは扱えず。これが今後どういう風になっていくのか注目したいです。だって普通に精霊を扱うだけじゃアウターなんてどうにもなりませんし。そもそも、今回の話で戦いに勝った決め手が関節技や金的やグーパンだったりするので。
マスラヲ、レイセンで主人公だった川村ヒデオは目つきの悪さとハッタリを武器に、ミスマルカ興国物語で主人公だったマヒロは暴力は使わず言葉を武器に。あ、お・り・が・みで主人公だった名護屋河鈴蘭はおいといて。最近だとずっとハッタリが武器だったし、作者の描き方も上手かったので、ここらで別の戦い方になるのはとても新鮮です。でも、女の子がグーパン……。
 
今回は1巻ということもあり、見所は主人公の女の子・ヒマワリさんがカラーでギャングな方達のリーダーをタイマンでボコるという、振り返ってなんだこりゃと思うが、事実そうだし。次以降でも「なんでもアリ」のバトルに期待したいです。